大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)957 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐々木正泰、同横田隼雄の上告趣意第一点について。

論旨は単なる訴訟法違反の主張に帰し、明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理

由にあたらない。そして所論の聴取書が原審において適法に証拠調をされていない

ことは所論のとおりであつて、同聴取書を証拠とした原判決は違法といわなければ

ならぬが、同聴取書を除くその余の原判決挙示の各証拠によつて原判示事実の認定

はこれを肯認するに難くないから、所論の違法は原判決に影響を及ぼさないもので

あるので刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべきものとは認められない。

同第二点について。

しかし、検察官に対する被告人の供述が不法な勾留中になされたという一事を以

てその供述が任意になされたものであると速断することは許されないところである。

しかのみならず、記録を精査するに、司法警察官が昭和二三年九月九日午後四時三

〇分に被告人を逮捕したことを認める旨の裁判官の逮捕状が同月一〇日発せられ、

翌一一日午後三時(逮捕の時から四八時間内)に検察官から勾留の請求がなされて

いることが認められる。そして所論の訊問調書はその記載内容、日附等から、検察

官が勾留請求の必要の有無を決するためにその請求前に被告人を訊問し作成したも

のと推認するに難くないのである。されば所論の被告人の供述は不法な勾留中にな

されたものではないのであるから、憲法違反の論旨はその前提を欠くものであつて、

刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。また同四一一条を適用すべきもの

とも認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

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昭和二六年一〇月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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